Exhibition Information

展示会レポート表面改質展2025:Surface Structure Design Show

※たくさんの方にご来場いただき、誠にありがとうございました。

展示会概要

表面改質展 2025

  • 開催期間 2025年12月3日(水)~5日(金)
  • 会 場 東京ビッグサイト 南3ホール
  • ブース H-19
  • 主催者 日刊工業新聞社
表面改質展2025バナー

表面改質展は、日刊工業新聞社主催のもと、耐摩耗性や長寿命化などを実現する最新の表面処理技術を一堂に集めた、高機能・高付加価値を追求する技術者のための専門展です。

表面改質展:会場の様子

出展内容・テーマ

日本金属化工所では、加工からめっきまでを一貫して対応できる体制を強みとして、当社が手がける主要な製品・技術分野を紹介しました。マイクロレベルの超微細旋盤加工品であるコンタクトプローブをはじめ、水素発生用装置部品(電極・膜・プレート)、EV自動車向けバスバーなどのプレス加工品に加え、用途や要求特性に応じて最適化された独自開発のめっき技術について、具体的な適用領域を交えながら展示しました。

また、微細加工から量産対応までの幅広い加工領域において、素材特性を踏まえためっき設計を組み合わせることで、品質・性能・安定供給の両立が可能である点を訴求しました。加工と表面処理を個別に考えるのではなく、工程全体を見据えた対応ができる点は、日本金属化工所ならではの特徴として、多くの来場者の関心を集めました。

PEM型水電解評価装置デモ機

微細旋盤加工品(プローブ)など

UVWアライメントステージ応用例、各種素材へのめっき例

また、PEM水素発生用装置部品については、電極・膜・プレートの加工・めっきに加え、専用評価装置を用いて性能を測定できる“評価ソリューション”を初めて公開しました。めっき条件の違いが水素発生効率に与える影響を評価できる体制を示すことで、研究開発段階から実装・量産を見据えた検討まで、一貫して相談できる技術パートナーとしての姿勢を明確にしました。

日本金属化工所とは 私たちの「ものづくり」 めっき・表面処理 金属加工 PEM型水電解用電極 PEM型水電解の評価ソリューション

会場の様子

お客様の声から

表面改質展では、微細加工やめっきといった特定分野に強みを持つ企業や、加工のみ・めっきのみを専門とする企業など、技術領域を限定した出展・来場が多く見られました。その中で日本金属化工所は、金属加工とめっきを社内で一貫して対応できる体制により、工程間の調整や手配の煩雑さを抑えつつ、トラブルや不具合のリスクを低減できる点が、来場者から高く評価されました。

微細加工においては、サイズ感への対応力だけでなく、月産ベースでの生産キャパシティを含めた提案が可能であることから、試作や研究用途にとどまらず、量産を見据えた相談ができる企業として関心を集めました。また、チタン素材からのめっき対応や、大判サイズの電極に対する加工・めっき対応など、素材やサイズの制約を超えた技術領域をカバーしている点も、日本金属化工所ならではの強みとして認識されました。微細製品に特化した企業や、加工または表面処理のいずれかに限定した企業では対応が難しい案件についても、工程全体を見据えてまとめて相談できる点は、実務面での安心感につながっています。

一方、水素分野については、商社を中心とした来場者から、2030年に向けて国の水素関連事業が本格化していくことを見据えた声が多く聞かれました。水素・エネルギー関連分野における電極部品やその加工・表面処理技術に対する関心は高く、将来の量産や実装フェーズを意識した情報収集の場として、日本金属化工所の技術に注目が集まりました。加えて、PEM型水電解装置向けのソリューションにより、電極部品の加工・めっきだけでなく、評価まで行える点は、研究開発から実用化を見据えた検討を進める来場者にとって、具体的な検討材料として受け止められました。

今回の展示会を通じて、日本金属化工所は、加工とめっきを横断する一貫体制による実務的な強みとともに、今後成長が期待される水素・エネルギー分野においても、技術的なパートナーとして期待される存在であることが明確になりました。

今後の取り組み

日本金属化工所では、水素エネルギー分野におけるさらなる性能向上を目指し、めっき技術が抱える本質的な課題への取り組みを一層強化していきます。 特に、フラットなプレートに対して薄く均一なめっきを施すことに加え、金属の多孔質体や不織布のように、表面が複雑に重なり合った金属繊維構造に対しても、表面層のみに均一にめっきを行う技術の確立に注力していく方針です。

さらに電極分野においては、めっきによって付与される性能や特性を定量的に評価できる評価設備の導入を進めています。 これにより、加工・めっきの提供にとどまらず、めっき条件の違いが水素発生効率にどのような影響を与えるのかを実際のデータとして示すことが可能となります。 水素発生装置のセルや電極部材を対象とした検査・評価体制を整えることで、お客様の開発段階や用途に応じた、より具体的で実用的な提案を行っていきます。

今後は、めっき技術によって水素発生効率を高めるだけでなく、その効果を評価装置を通じて「見える化」することで、水素発生装置全体の性能向上に貢献していくことを目指します。 加工・めっき・評価を一体で捉えた取り組みを通じて、水素エネルギー分野における技術パートナーとしての役割を、さらに強化していきます。

<水素発生用電極部品の例>
  • セルメンブレン(Cell Membrane)
    固体高分子電解質膜(PEM: Proton Exchange Membrane)のことを指すケースが多く、水を電気分解する際の中心材料。
  • チタン加工技術
    水電解装置ではチタンが電極基板やセパレーターとして使われるため、その加工(プレス、エッチング、溶接など)が重要。
  • アノード・カソード(Anode / Cathode)
    電解セルの正極・負極。水素発生はカソード側で、酸素発生はアノード側で起こる。
  • PTL(Porous Transport Layer)/ガス拡散膜(Gas Diffusion Layer, GDL)
    電極と膜の間に配置される多孔質材。ガスの供給・排出や電子伝導を助ける重要部材。
  • 不織布(Nonwoven Fabric)
    GDLや触媒層の担体材、あるいはセパレーター間のスペーサーなどで使われることがあり、炭素系や樹脂系の不織布が利用される。

また、こうした取り組みとあわせて、めっき性能を最大限に引き出すための加工技術の高度化にも注力していきます。 当社は、小径・微細加工分野では、コンタクトプローブやパイプソケット、ステンレス針(SUS針)といった部品を対象に、外径Φ4.0mm以下の精密加工を得意としています。 中でも、材料径Φ0.48mmという極めて細いパイプ材に対し、Rカシメ内径Φ0.2mmを外径切削なしで加工するなど、高い難易度と精度が求められる加工を実現してきました。 このような微細加工では、材料剛性の低さや工具条件の制約から加工が不安定になりやすく、超硬バイトや微細ドリル、チップバイトなどを用いた高度な加工ノウハウと工程設計が不可欠です。

日本金属化工所では、複雑な条件下においても寸法精度と再現性を確保し、微細部品に求められる品質を安定して提供できる体制を構築しています。 今後は、より難易度の高い加工や高精度が求められる案件にも積極的に取り組み、加工とめっきを組み合わせた付加価値の高いものづくりを通じて、水素エネルギー分野をはじめとする幅広い分野でお客様の期待に応えていきます。

展示会スケジュール

展示会
2026年3月17日から19日に東京ビッグサイトで開催の「SMART ENERGY WEEK【EXPO FC & 2H】春(第25回国際水素・燃料電池展)」に出展します(2025/08/18)
Exhibition
We will exhibit at SMART ENERGY WEEK [EXPO FC & 2H] Spring (25th International Hydrogen & Fuel Cell Expo), held at Tokyo Big Sight from March 17 to 19, 2026.(2025/08/18)
展示会
2026年1月28日から30日に東京ビッグサイトで開催の「SURTECH2026 表面技術要素展」に出展します(2025/07/29)